双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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春の翼に夢む

|本| |音| 昔から、所謂「占い」の類にはまるで興味が無い質だけれど、 たまたま手にした石井ゆかり氏の本が、ちいとも「占い」らしくないのと、 何処か見覚えの在るよな表紙に惹かれて、つい買って帰ってきてしまった。 何だろな、これから行こうとして居る場所への道案内と云うのか、 先の見えない不安を、ほんの少し手助けして和らげてくれると云うか。 これからの三年間のヒントが書かれただけの、一寸不思議な本なのである。3年の星占い 山羊座 2024年‐2026年作者:石井ゆかりすみれ書房…

Requiescat in pace

|縷々| |音| 死の気配に包まれて居た人の訃報は、突然の不意の訃報よりも、重たい。 重たいけれど「遂にその時が来てしまったのだな」と、 遠からず訪れるのだと云う、確かな予感みたいなものに先導されて、 思いの外、動揺せずに事実を受け入れられるよな気がする。 ただ、その死によって、自分の中で (自分でも意外なくらい) 大きな存在であったことを、改めて知ることになろうとは。 今年の一月に観たその人の骨ばった指先は、静かに命を削りながらも 一音一音を慈しむよに、静寂の中で、美しい音…

春の音

|音| 景色がぼーっと霞んだよな、白昼夢の中に居るよな、 この世のものじゃないよな、弛緩してふわふわした心地。春。ぼんやりして、ひずんで、境界があいまいで、正体の無い季節。 そんな季節の、春の音だなあ。Vignetting the Compostアーティスト:BibioMushAmazonSleep On The Wingアーティスト:BibioWarp RecordsAmazon

かっちょいい大人たち

|縷々| |音| 嗚呼。あの人もこの人も。 若き日に憧れた「かっちょいい大人」が皆、次々と鬼籍に入ってゆく。 いつの間にか、私自身が当時の彼らの年齢を追い越し、 「かっちょいい大人」は「かっちょいいじじばば」となって 皆、最終出口行きの列車に乗って行った。 近頃よくこの曲を口ずさむ。 「老いる」と云うこと。 生きることは、死に向かって進んでゆくこと。 その先が”出口”なのかな。

進め、エオルの子らよ!

|音| |映画| 聴きながら洗濯物畳もうと思ったら、耳が釘付けになっちゃって家事が全然捗らないYO!「BRASS EXCEED TOKYO」による演奏は『LOTR』三部作の楽曲がハイライト的に編曲されたメドレー。何とこちらオーケストラではなく吹奏楽団なのだが、コーラス隊の存在で荘厳さも加わり迫力満点で実に素晴らしい。特に金管隊がすこぶるかっちょいい、ローハンのテーマ曲が最高!(ねー、やっぱりローハンだよねー) そして又、烽火のシーンを思い出し、その尊さに身震いするのであった(…

気分はいつでもローポジション

|音| 午後、小津映画のサントラを聞きながらほうじ茶をすする。 すると店内がすっかり「秋刀魚の味」になるのであった。 嗚呼。 新型某の大波が、いよいよと云うか、遂に身近な所まで迫って来よったわい。 岩下志麻の美しい額を思い出して、濁った心を洗い流すのじゃ。

陽だまりの土曜日

|音| |日々| やわらかな春の日差しの中で、山の稜線が薄く霞んで居る。 久しぶりの穏やかにほどけた土曜日。グールドのイタリア協奏曲を。 喜ぶよに明るく弾む旋律が、こんな日には丁度良いんだ。隣家の庭先の木蓮。季節の訪れを知る目安となって居たのだけれど、 昨年の冬にばっさりと切られてしまった。寒々しい姿が寂しい。お外っ子のお嬢は、寝籠の縁にすっかり頭を預けて眠り、 陽だまりで温もった和毛が、春風にふわふわそよいで居た。 目薬を差した後、珈琲を淹れた。

坊ちゃん刈りは夏仕様

|雑記| |音| 月曜日。 珍しくからっとした梅雨の晴れ間に、朝から動き出す。 シーツなど大物を洗濯して外へ干し、窓を全部開けて掃除やら何やら。 昼過ぎには家のことを粗方済まして、いそいそと身支度整えて、 フォルゴーレ号に乗って出立。実にふた月半ぶりの散髪である。坊ちゃん刈りは実に気に入って居り、是を別のへ変えるつもりは 毛頭無いのだけれども、夏を前にそろそろ暑苦しくなってきて、 かと云って、具体的な妙案も浮かばずにあった。「今日はどうするの?」 「うーん。何とか是、塩梅よく…

やわらかい午後

|縷々| |音| 今でも鮮明に思い出せること。ぼんやりと朧気にしか思い出せないこと。 石油ストーブのあったかさと。真っ暗闇の中の不気味なくらいの静寂と。 アーロンが窓から屋根に飛び出して、おろおろして鳴いて居たのだったな。 今年よりも、もっとずっと寒い、冬みたいな春先だったな。十年前の今日と同じ時間に、カウンターの内側で目を閉じて、暫しの黙祷。 ぽつりぽつり。 午後のお一人様たちの、粛々と憩う様にほっとする。 この場所が、この人たちの心の寄る辺で在り続けられますように。 どん…

冬がやって来た

|音| |縷々| 十二月に入った途端、急に静かになったなぁ、と感じ入る。 こないだまでの紅葉狂騒曲がぱたりと止んで、人と車の姿が消えて、 それと入れ替わりで、季節がきんと冷えた空気を連れて来た。鼻から深く吸い込んだ息を、ゆっくり全部吐き出す。 肺の奥がひんやりとして、清々しくて、気持ち良い。 嗚呼、冬だ。 これは紛れも無く、冬の感触。冬の様相だ。ストーブを背にして、落雁をかじりかじり、熱いミルクティーを飲む。Charlie Brown Christmasアーティスト:GUAR…

潔い散髪と秋の匂い

|雑記| |音| ずいぶん昔にお世話になって居たJさんに、二十数年ぶりで髪を切って貰った。 高校生の頃から大学を出るくらいまでの、生意気な時期ずっとお世話になって居た。 昨年に長く勤めた美容室を辞め、実家の店へ戻って大先生と二枚看板でやることになって、 古かった店をきれいに改装したと知ったのは、今年に入ってからだったのだけれど、 なかなか挨拶する機会の無かったのが、こないだ偶然にばったり行き会って。「お久しぶりです…」とドアを開け、すっかり見違えた店を眺め眺め、椅子に座る。 …

人の命は儚くて 渡る世間もはかいかぬ

…の爽やかなことよ。 |音| 本日のお掃除音楽は、人間椅子である。*1 普段の店内では決して聴けぬため、ここぞとばかりの大音量である。人間失格(UHQCD)アーティスト:人間椅子発売日: 2016/11/02メディア: CD羅生門(UHQCD)アーティスト:人間椅子発売日: 2016/11/02メディア: CD有難いことに、過去の作品が高音質リマスタリングで再発されて居るのだが、旧盤との差は歴然。音質はクリアーだわドスは効いてるわで、ゾゾゾーっと鳥肌が立つこと請け合いなのである…

こんなの

|音| |日々| 休業に入ってからほぼ一週間が過ぎた。意外と早い。 あと十日も在るので、今日は換気扇。明日は窓。明後日は本棚… と云った風に箇所を絞って、疲れぬよにちまちま進めて居る。午前中は自宅の掃除。 今日は朝から良い天気。風は強いけれど、陽射しがあったかい。 がらっと窓開けて、掃除機かけて、洗濯機回して。 未だ残って居る抽斗の整理は、こんなの聴きながら。 さくさくっと進んで、The Donnas「Rock'n'Roll Machine」で一気に加速! 午後は店の掃除。今…

遥々気の遠のく

…るか、やらぬか。只それだけのことだ。こんなんじゃ、おちおち外も歩けやしない。 出先での、無防備無頓着の輩がおっかないので(笑)、 今日も抽斗の中身を片っ端から片付けて、掃除三昧である。つくづく感心するのは、有事であろうがなかろうが、 実に規則正しく己の習慣を守る、猫と云うものよ。 |音| Tiddlywinksアーティスト:NRBQ発売日: 1990/01/17メディア: CDQを聴きながらの掃除は、はかどったり手が止まったり。 こんな平和な気分が、いつもの気分だったならな。

Meu Coração

|音| STAN GETZ & JOAO GILBERTOアーティスト: GETZ & GILBERTO出版社/メーカー: VERVE発売日: 2005/09/20メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見る 糸のよな細い雨が止んだり、戻ったりして居る。 ついさっきまで、猫たちの横たわって居た場所には、 まだありありと体温が残って、掌からじんわり伝わって来る。 ままならぬこと、理不尽なことの方が、ずっと多い。 けれど、何とか折り合いつけて、やり過ごして、歩いてゆく。…

雪の一日

|日々| |音| 朝起きると外がしんとして居て、あ。雪だな、と思う。 午前中はちらついて居ただけのが、昼をまわる頃には本格的に降り出し、 やがて辺りが白くけぶると、すっかり静かな雪景色の様相となった。 お外っ子のお嬢も、今日は観念して寝箱の中でうずくまる。 底冷えのするよな寒さに、何か体の中からあたたまるものが食べたくて、 こないだ貰った泥付きのニンジンが沢山在ったなぁ、と昼にスープを拵えた。 主役のニンジンはサイコロ大の角切りにして、惜しげ無くどっさりと。 薄切りの玉葱とニ…

一月感傷

|音| Waterpistolアーティスト: Shack出版社/メーカー: Marina発売日: 2007/09/16メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見る 薄曇りの冬空に僅かの陽がのぞいて、また陰ってゆく。 意図せずぽっかり空いた遅い午後。 ミルクティーを熱々で淹れて、チョコレートひと欠片。 こんな日、こんな空模様、こんな時間。 そうしてこのアルバムを聴いて居た。 冬は未だ、長いよ。

窓を拭いたら

|日々| |音| 乾いた空気に、晴れ渡った冬の空。 ただひとつ足りぬのは、きんと冴えた冷たい風。 しかしながら、窓拭きには絶好の天気である。 水を張ったバケツと脚立、窓拭き用具一式を持ち出して、 えいっと腕捲り。一階を終えたら二階へ移り、 小一時間ほど掛かって拭き終えたら、額にうっすらと汗。 是でひと通り、師走の掃除の済んだ格好となった。 残す細々は、二三日中に順次済ませれば良いのだ。 さて。到来物の御菓子で一息、と珈琲を淹れれば、 傾ぎ始めた冬の陽が宵の色を仄かに滲ませなが…

独りと独り

|音| ビル・エヴァンスの音は冬の音、と思う。 外気がひんやりと冷えてきて、手にしたカップに触れる指先が 少しの間を置いてから、じんわりと温まってくるよな季節。 そんな冬の静かの中に、冴え冴えとして、けれどもやわらかで。 ストーヴの前で、独り。編み針を動かしながら、聴く。Intermodulationアーティスト: Bill Evans出版社/メーカー: Polygram Records発売日: 1990/10/25メディア: CD購入: 1人 クリック: 6回この商品を含む…

センチメンタル青春ノイローゼ

|音| |縷々| 先月末に知った”ジェリーTeenage Fanclub脱退”の報。日の経つ毎にじわじわとボディブローのよに効いてきて、当初は強烈な一撃のお陰で良い塩梅に思考回路が麻痺して居たのが、次第に冷静になるに連れ、ジェリー喪失と云う受け入れ難い現実が重く圧し掛かり、遠く途方に暮れるのであった…。 そしてそんな折、来春の引っ越しに向けて、この部屋の膨大な量の片付けに取り掛かり始めて居るのだけれども、毎日少しずつ過去のエントリを整理する中で、実に所々で、常に彼らと共にあっ…

映画館にて

|音| Chambers [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] Amazon特典限定マグネット付 (BRC455)アーティスト: Gonzales,ゴンザレス,チリー・ゴンザレス出版社/メーカー: Beat Records / Gentle Threat発売日: 2015/03/17メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見るこの人のつくる音楽には物語が見える。 音楽だのに何故だか映像的な魅力が在って、 一曲一曲が短編映画みたいだな、といつも思う。 だか…

チャーリー・ブラウンと懐中しるこ

|縷々| |音| 郵便受けの郵便物を取りに表へ出ると、北からの風が びゅうと音をたてて、乾いた落ち葉を巻き上げて居た。 思わずカーディガンの前立てをぎゅっと掻き合わせて、 灰色の空の下。すっかり色寂しくなった山を見やる。 品性だとか思いやりだとか、そう云うものに 著しく欠けた人は何処にでも必ず居て、しかしながら 実際に目の当たりにしたり、実際に接するとなると、 気が遠くなって、暫し茫然自失の空白に彷徨ってしまう。 何故、私が?と考えてはいけない。 たまたま厄日であったのだ、と…

冬を待ちながら

|音| 怒涛が去り、狂騒の秋が終わった。 日常が戻り、静けさが訪れて、 秋から冬へ。 もうじき季節が入れ替わる。 Giddeon Gayeアーティスト: High Llamas出版社/メーカー: V2 / Wasabi発売日: 1998/01/27メディア: CDこの商品を含むブログ (2件) を見る久しぶりに手に取った。 間近に冬を待ちながら、聴こう。

秋になった

|日々| |音| 昨日、いつもの通り道の民家の前。 何とは無し、ふと視線を落とした足元へ、 薄い橙色の小さな粒が散らばって居た。 あ、そうだ。金木犀の木、在ったっけ。 手入れもされぬかわりに、育つばかりに大きく育ち、 いつもこのくらいの時期になると、ふんわり。 あの香りが風に流されて漂ってくるのだけれど、 確か、夏頃だったろか。家の人と思しき男性が、 慣れぬ手つきで高枝バサミを動かすのを見た。 さっぱりと刈り込まれた、と云うのじゃなしに、 ただ無節操に、ただ無思慮に、ばっつり…

A Charlie Brown Christmas

|音| 十二月も半ばを過ぎ、あっと云う間に年の瀬。 終いの頃になってバタバタと慌てぬよに、 年賀状を刷り、宛名を書き、お年始を準備し、 散髪の予約を入れ、古紙をまとめるなどして少しずつ、 年末年始の支度を整えながら聴くクリスマスの音楽は、 懐かしい子どもの気分と大人の気分の両方が入って居て、 愉しいけれど、何故だかちょっぴりしんみりして。 お仕着せの風景とも馬鹿みたいな喧騒とも無縁で、 しみじみと穏やかな、しあわせな心持ちにさせてくれる、 いつだって大好きな一枚。Charli…

ぽつんと

|音| One Day I'll Be on Timeアーティスト: Album Leaf出版社/メーカー: Tiger Style発売日: 2001/05/22メディア: CD購入: 1人 クリック: 48回この商品を含むブログ (36件) を見る夜の肌寒さに肩をすぼめて、ミルクティーを飲みながら、 心善き人たちにとってのこの場所が、 真っ暗な山道の途中に、ひとつだけ 小さな明かりを灯した避難小屋みたいに、 浮世の煩いや狂騒から、ぽつんと離れた、 そんな安息の場所であれば良…

十一月の憂い

|音| 暦が変わった途端、怒涛の紅葉見物が始まって、 道の途上のこの場所へも、通り掛った人々が 一気にどっと押し寄せる。早々に気疲れの予感。 静かな山景色は、静かにそっとしておいて欲しい。 とってつけたよな喧騒など、似合わない。 静かな音楽アーティスト: つのだたかし出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2000/10/21メディア: CD購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (11件) を見るだから、せめて、静かな音楽。

暦の残り

|雑記| |音| 何とは無し。 壁掛けの日めくり暦を改めて確認すると、 嗚呼、もうこんなに残り僅かなのだ。 先週にようやっと、カーテンと夜具を厚手の 秋冬仕様に替えてから、秋はぐんと深まり、 猫らも又、あったか芋ドーム*1に潜り込んで居る。 そろそろズボン下を穿かぬと、心許無い。 過ごして居る間は然程に感じずとも、 過ぎてしまった後で振り返ってみれば、 季節の巡りは、実にあっと云う間である。 気付けば晩秋もすぐ其処、となるのであろう。 A CHORUS OF STORYTEL…

汽車はじょんがらじょんがらと

|音| 是、やっぱり名曲だと想うのねぇ。人間椅子「りんごの泪」(「疾風怒濤~人間椅子ライブ!ライブ!!」より) 3ピースだのに、この重さ!この分厚さ! いやはや、まったく格好良くて痺れるねぇ...。 結成から二十五年余。 一貫して変わらぬ唯一無比のスタイルは、 風格と貫禄も加わって、もはや完成された様式美である*1。 無頼豊饒(初回限定盤)(DVD付)アーティスト: 人間椅子出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ発売日: 2014/06/25メディア: CDこの…

僕も私も 其の三

|音| 久々、無名の人々によるカバー合戦企画の三回目は、Jackson Browneのエヴァーグリーンな名曲『These Days』を課題曲に致しました。(第一弾→◆ 第二弾→◆) ところでブラウンさん。少し前の来日インタビュー記事の写真が衝撃で、顔の造作と印象は若い頃のままだのに、其処へ皺だけが矢鱈と増えちゃっててねぇ。ロバート・レッドフォードなんかも同じタイプかと想うのですが、何と云うか”おじいちゃん青年”って云うのかしらね。それって得なのか損なのか...。+++ さてと…

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